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アドリア海を挟んでイタリアの対岸にあるクロアチアのドブロブニクは、『アドリア海の真珠』と呼ばれるほどの美しい要塞都市です。その美しさから宮崎駿作品のアニメーション映画『魔女の宅急便』(1989年)のモデルにもなったといわれています。1979年に世界遺産に登録されましたが、1991年のユーゴスラビア内乱によって大きな被害を受け、ユネスコの危機遺産リストに載せられてしまいました。ところが内戦が終了し、クロアチア独立が実現すると、ドブロブニク市民は復興に立ち上がり、ほぼ元の通りに復元したのです。そして1994年に歴史的文化遺産として再び世界遺産に復帰しました。
ドブロブニクはクロアチアの最南端に位置していますが、実は内陸国であるボスニア・ヘルツェゴビナにとって唯一の海に面する領土であるネウムという小さな町が挟まっているため、クロアチア本土とは飛び地になっています。
ドブロブニクの要塞都市としての繁栄は、13世紀以降に地中海交易の拠点となったことから始まります。1806年にフランスのナポレオンによって征服され、独立した共和制が廃止されるまで、歴史上、希有な都市国家として存続してきたのです。中継貿易で得た利益を堅固な要塞建設に費やし、海外に領土を一切求めない専守防衛に徹してきました。しかも、奴隷制をヨーロッパ世界で最初に廃止し、伝染病院の建設など医療制度や老人福祉などにも早い時期に導入し、市民の結束を図ってきたのです。
世界遺産の中心となっている旧市街地は、1940mの城壁に囲われています。城壁は高さ23〜25m、幅3m〜6mあり、城壁の上を周遊して、中世時代の都市国家の全貌を知ることができます。そして、旧市街の中心を貫くプラツァ通りを歩くだけでも、自由と自治を守り抜いてきたドブロブニク市民の心意気を知ることができます。
歴史的建造物としては、ピエタの彫像と噴水のある中庭で有名なフランシスコ修道院、ドブロブニクの守護神である聖ブラホを祭る聖ブラホ教会、中世時代に交易の場として使われたスポンザ宮殿、共和国時代の大会議場や大統領官邸に使われたレクター宮殿、鐘楼と31mの高さの時計台などがあります。
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