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■今月のスポットライト
東京湾の安全を守る東京湾海上交通センター

東京湾海上交通センター

 クルーズ好きの皆さんの中にはご存知の方も多いと思いますが、船も管制されていたり、信号があったりします。今回は、去る11月3日、東京湾最狭部の海上交通の要衝、浦賀水道を望む観音崎にある、海上保安庁の「東京湾海上交通センター」が一般開放されましたので、見学に行ってまいりました。

 ここ、東京湾海上交通センターの無線交信の際のコールサイン(呼出符号)は、「東京マーチス」であるため、東京湾海上交通センターと言う名称よりも、「東京マーチス」という名前の方でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

 東京湾海上交通センターの建物は、観音崎の高台にある白い塔にレーダーや色々なアンテナが目を引く白い建物です。近くに明治2年に完成した日本最初の西洋式灯台の観音崎灯台があるのですがこの建物の方が目立つので、十数年前、初めてここを訪れた時にはこちらが観音崎灯台かと思ってしまいました。

 入り口では、海上保安庁のマスコットキャラクターのうみまる君や、海上保安庁のスタッフが出迎えてくれました。入り口で東京湾海上交通センターや海上保安庁の資料、そして犬吠埼、野島、神子元島の三箇所の灯台のペーパークラフトをいただき、通路からガラス越しに管制室を見学します。


左の大きな画面で航行船舶を監視、左上の画面はAISの画面、左下の画面では各船舶の航路入港予定などが表示されている

 管制室の内部には、実際に利用されているものとは別の予備用のものだそうですが、東京湾全体を航行している船舶がリアルタイムに分かるレーダーや、浦賀水道を出入りする船舶が一覧表示されているディスプレイ、そしてAISという最新の次世代型航行支援システムの画面が見学者にも良く見えるように配置されており、職員の方がそれらの機器をどのように使うのか説明してくれました。また、室内には大きな双眼鏡や、東京湾の海図などもありました。

  職員の皆さんは24時間二交代制で、浦賀水道はもちろん、横浜の本牧地区や、千葉県の浦安地区も監視されているそうです。

 AIS(Automatic Identification System:船舶自動識別装置)とは、船に搭載され、船名、コールサイン、位置、針路、船速、行き先などの各船の固有のデータをVHF無線で自動的に送受信する装置だそうで、海上交通センターや船舶間で通信を行っています。SOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)の改正により、2008年7月までに、一定の船舶に対し順次搭載することが義務化されているそうです。AISが搭載されている船では、安全情報、海難事故、航路航行制限情報などの安全情報や、工事作業や海難防止情報などの航路情報、なた東京湾内の気象情報が受信できるそうです。


リアルタイムにどの船舶がどこを航行しているのか分かる。表示を変えると船名を示す記号なども表示される

 浦賀水道には、1万トン以上の船が通過する際、船がそのラインを通過する際に海上交通センターに現在位置を通報しなくてはいけないラインがあり、たとえば東京湾に入る船が位置情報を無線で知らせる位置は、久里浜と浜金谷を結ぶ東京湾フェリーの航路の少し北側あたりとの事です。

 ちょうど管制室を見学している時、通路に設置された東京マーチスとの通信内容を聞くことができるスピーカーより、東京湾フェリーのしらはま丸より浜金谷港を出港する旨の通信が入ってきました。職員の方のお話ですと、1万トン以下の通知義務のない船でも、位置情報を知らせてくれる船が多いそうです。位置通報後、東京湾に入った船は、東京マーチスの管制下に入り、独自の記号が割り振られ、右の画面の写真のようにレーダーにより常時その船がどこを航行しているのか確認できるそうです。


各船舶の通過予定時刻、船名、コールサイン、トン数などが表示されている

 狭く交通量の多い浦賀水道の浦賀水路と、浦賀水道通過後東京港や千葉港方面に向かう中ノ瀬航路は、長さ50m以上の船が通らなくてはいけない航路が決められており、海上のブイで示された海の道を航行するそうです。また、浦賀水道航路、中ノ瀬航路ともに12ノット以下で航行しなくてはいけないそうです。そういえば、クルーズで浦賀水道を通過する時はいつも他の船と同じくらいのスピードで船が進んで行くので、仲良く並んで走っているように感じますよね。

 管制室の見学も終わり、屋上に出てみました。この日は晴れていたものの、すこし視界が悪く、対岸まで見渡すことはできませんでしたが、浦賀航路の明治時代に建設されたものの、関東大震災で崩壊し暗礁となってしまった第三海堡撤去作業の様子や、次々とやってくる船を見ることができました。


屋上からは東京湾を行き交う船が眺められました

 このような海上交通センターは東京湾だけでなく、瀬戸内海の備讃瀬戸、来島、関門海峡、大阪湾の各地、また、伊勢湾の伊良湖水道と名古屋港などの海上交通が輻輳する海域に設置され、海の安全を見守ってくれているそうです。私たちが安心してクルーズを楽しむばかりでなく、海外から運ばれてくるさまざまなものを手にすることができるのも、船が安全に航行できるからかもしれません。

 東京湾海上交通センターは例年、7月の海の日と、秋の観音崎フェスタの際に公開されているそうです。ご興味がおありの方は、公開日が近づくと下記ホームページに案内が掲載されますので、チェックしてみてくださいね。

 東京湾海上交通センターホームページ:
 http://www6.kaiho.mlit.go.jp/tokyowan/

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