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イタリアのカジュアルシップ、MSCクルーズのシンフォニアにてインフォメーションデスクのスタッフとして活躍されているさくらこさんの地中海日記。
今回は、最終回! 最後までお楽しみください。 |
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言葉でなくても伝わるもの
2007年11月4日 |
船のシアターでは、毎晩すばらしいショーが行われます。色々な国の代表的な歌やダンス、パントマイムを使ったコミカルなショーや、みごとなマジック等々。
そんな毎晩のショーの中で私が一番好きなのは、チビタベッキアの夜に行われる手を使った影絵のショーです。影絵と聞くと、少し古臭い気がしますが、これが実に素晴らしいのです。手のひらの影が音楽に合わせ、森で遊ぶウサギ、小鹿から立派な雄鹿に変わったかと思うと、次には夢見るプリンセスになり、愉快な犬になり、マフィアのボスに・・・。
その度におかしくなったり、ロマンティックな気持ちになったり、さびしくなったりと息つく暇もないほど、引き込まれてしまいます。
そして、手だけでも伝えられるものは、こんなにあるのかと驚かされます。
もちろん、プロのようには行きませんが、日本語以外まったくしゃべれないお客様が、他の国の方と挨拶をかわし、飴など交換していたりして、楽しそうにコミュニケーションをとっている姿に、びっくりさせられたこともありました。
仕事中、色々な国のお客様の対応に頭を悩ましている私ですが、このときは、言葉だけではなく、一歩離れたところから、相手がなにを伝えたいかを感じ取ることの大事さを教えられた気がしました。
こんな体験、皆さんにもありますか?船に乗るチャンスがあったら、しゃべれないからとしり込みせず、ぜひコミュニケーションを楽しんで見てください。
言葉でなくても伝わることは、ほんとうに多いのです。
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アメリカズカップ
11月14日 |
アメリカズカップ、それは車で例えるならF1レースのような世界最高峰のヨットレースです。このアメリカズカップが、今年の6月7月バレンシアで開催されました。
今日は、今シーズン最後のバレンシア寄港になり、今は静かになった会場を前にその時のことを思い出していました。
レースの本拠地となるアメリカズカップビレッジはシンフォニアが泊まるマリンターミナルのすぐ隣にあり歩いていくことが出来ます。ヨットが大好きな私にとって、そこは、まさに心が躍る特別な場所でした。
全長80フィート(25mプールとほぼ一緒の長さ!)もある世界最高峰の技術を集めたレース艇。いつも淡々とレースをしているニュージーランドチームが、アメリカズカップ出場のための前哨戦ルイビトンカップでの長く厳しいレースの勝利を家族とともに喜んでいた表彰式・・・。わずか一秒差で勝敗を決めた最終レース。
また、ここはヨットの知識がない方でも楽しめる会場でもありました。会場が一望できる気球や色々な企業のイベントブース、ヨットの最高技術をわかりやすく展示したブースや過去の優勝艇模型などもありました。
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それにMSCは、今回優勝したアリンギチーム(スイス)や初挑戦チームのシュシュロザ(南アフリカ)のスポンサーをしており、各チームのシンジケート(基地)を見学するツアーを行っていたり、船にグッズが買えるショップがあったりと、いつも身近に感じることが出来ました。
実は、この話しをしだしたら止まりません(笑)。
なぜか日本では、知名度の低いアメリカズカップですが、海に囲まれた日本でいつか、誰しもが夢中になれるレースになればと思わずにはいられません。
2年後、バレンシアで次回のアメリカズカップが開催される予定です。そのとき、また訪れられるようにとそっと願掛けをして、その場を離れました。 |
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ローマ教皇の祝福
11月18日 |
チビタベッキアからローマへは、列車か車で一時間ほど。私たちクルーは、休み時間の関係でローマを訪問する機会は、ほとんどないのですが、今日は日本人のお客様のツアーに同行し、ローマまでやってきました。
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シンフォニアは、毎週日曜にチビタベッキアに寄港します。なんといっても素晴らしいのは、日曜日には、バチカン市国でローマ教皇の祝福を受けられるのです。今日もサンピエトロ寺院は、ローマ教皇に会うための人で一杯でしたが、赤い布がかかっている窓から教皇が手を振る姿は誰にでも直接見ることが出来ました。お話とお祈りはスピーカを使ってイタリア語、フランス語、英語・・・と色々な言葉で放送され、自国の言語が使われると広場に集まった人々から歓声があがっていました。
そして、祝福の後には、美しい鐘の音がローマの街に響き渡るのです。
私はキリスト教徒ではないのですが、この日祝福を受け、なんとも幸せな気分になってしまいました(笑)。 |
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Home Away Home 〜 日記の最後に 〜
11月20日 |
“Home Away Homeわが家を離れたもうひとつのわが家”。
「あなたにとってシンフォニアが‘Home Away Home’になりますように」
8ヶ月前、日本を出発する時、この言葉をある人から贈って頂きました。
私は、昨日ジェノバでシンフォニアを下船し、今日、日本に帰国しました。
知らない方も多いようですが、私たち船のクルーは、少なくとも半年、長いと一年近く船で寝泊りしながら仕事をします。私も地中海シーズン開始の3月からこの11月まで約8ヶ月間、シンフォニアに乗船していました。
家族や親しい友人と離れ、長い航海での仕事は、なかなか大変です。
そんな中、あるクルーが言っていたこんな言葉がやけに印象に残っています。
「長い航海の中で、家に帰ることばかり考えてしまう。でも、家に帰ると船のことばかり考えてしまう。そして、また船に戻って来てしまう。」っと。
彼にとって、船もまた家なのです。
ご乗船されたお客様はクルーと立場は違いますが、船が家になると言うこの感覚は、一度でもクルーズの体験がある方なら、きっとわかるのではないでしょうか?
船で過ぎていく時間は、なぜか普通の旅行と違い、一緒に過ごした人々を強く結びつける特別な力があるのです。
そして、今、船で一緒だったクルー、ご乗船して下さったお客様や添乗員さんを思い出すと、私にとってそれは、シンフォニアと言うHomeで楽しい時を過ごした家族であり、友人であったことに気がつきます。
ここで、改めてシンフォニアにご乗船いただいた方々に、お礼申し上げます。皆さんとシンフォニアで過ごした時間は、私にとっても、素晴らしい、とても楽しいひと時でした。何年経ってもきっと忘れないと思います。
最後に、この日記を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
私は、きっとおばあちゃんになっても、どこかの海にいると思います(笑)。いつか、またどこかの海でお会いしましょう!
そして、あなたが旅でHome Away Homeに出会えますように!
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