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敦煌は中国北西部の甘粛省にあって、古代から西域への玄関口として、またシルクロードの分岐点として知られています。この地に仏教が伝わったのは五胡十六国時代の4世紀、それから元代に至る約1000年の長きにわたって北方仏教文化が栄えました。
敦煌の南東25kmにある鳴沙山の東側絶壁に築かれた石窟群は、北方仏教文化の遺産として1987年12月、世界遺産に登録されました。南北1600m、上下5層にわたって、石窟が櫛の歯のように並んでいます。現在残されている石窟は92窟ありますが、実際には1000を超える石窟が開削されていたようです。残された石窟のうち最古のものは五胡十六国時代、最も新しいものは元朝時代に建造されています。従って、石窟ごとに、それぞれの時代における文化の結晶ともいえる壁画や塑像が残されています。
その数量は、塑像が2400体以上、壁画が総面積約4500uと言われ、唐代から宋代に建設された五つの木造建築も保存されています。塑像は精巧で美しく彩色された芸術性の高いものが多く、仏陀、菩薩、仏弟子など仏教関係が主体です。また、壁画も仏教にちなんだ題材が多いものの、各時代の民族伝説なども題材も含まれ、芸術品というだけでなく、歴史資料としても貴重なものになっています。こうしたことから世界で最も規模の大きい「世界の芸術宝庫」「壁上の図書館」と称されています。
第96窟にある九層楼は、数ある石窟の中でも莫高窟のシンボル的存在で、中国唯一の女帝・則天武后が695年に造らせた、高さ35.5mの弥勒菩薩の鞘堂として建設されたものです。建設当初は三層だったといわれていますが、屋根が壊れたので1929年に九層楼として再建されています。また、第45窟と第57窟にある菩薩画像は、二大美人として有名で、特に第57窟の南壁に描かれていた菩薩像は、シルクロードをテーマにした作品を数多く描いている画家の平山郁夫も絶賛したといわれています。
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