2007年暮れ、香港へ行く機会に恵まれた。この時、かねてから海外でクルーズを、と考えていた私は、同地を拠点の1つとするスタークルーズ社が、ワンナイトクルーズを積極的に売り込んでいる、という情報を入手していたため、滞在中の一泊をホテル代わりに利用し、旅のアクセントにと考え早速申し込む事に。これがリラックスムードで気兼ねなく一夜を楽しめる物だったので、皆さんにもお勧めとの意味も込め、紹介したいと思う。

| ビクトリア湾内を航行するスーパースター・アクエリアス |
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12月9日に一夜を楽しんだ船は「スーパースター・アクエリアス」。5万t超の大型客船で、クルーズ船特有の風格と気品は感じさせるものの、乗船時にマスコットやらショーに出演するダンサーのノリのいいお出迎えがあり、堅苦しい雰囲気など不要だから船旅を存分に楽しんで、という演出に私は驚きつつもその好意に従おう、という気分が高まり、そのムードを保ちながら船内へ。
その後、一通り船内を探索し、設備の位置関係を確かめた後に夕食へと向かったのだが、フリーで利用できるビュフェ形式のレストランが4つあり、そこから好きな物を、というスタイルも気軽さを重視するスタークルーズならでは。ドレスコードなど気にせず、服装も常識的ならよしという感じで、クルーズはとかくセレブが集う形式を重んじる物、という心配はこの会社に限っては無用だった様で、またそれが多くの人の共感を得ているのでは、と納得させられる。私が選んだ「ダイナスティ」という中華レストランのディナーも内容的に上々だった。
19時30分、定刻より30分も早く、「スーパースター・アクエリアス」は九龍の夜景に見送られながら香港オーシャンターミナルを出航。しばし九龍と香港島に挟まれたビクトリア湾を、クリスマスを祝すイルミネーションのシャワーを浴びながら東へと進むが、それでも1時間も経過すると船外は漆黒の闇のみとなり、ここからはダンスショーやビンゴ大会等のアトラクションに参加し、他の船客やクルーとのコミュニケーションも楽しむ事に。日本人クルーも5名乗船し、通訳兼任でビンゴ大会の司会等も担当していたが、フレンドリーに接してくれると共に、ジョークたっぷりに船客を冷やかすのも楽しんでおり、クルーと船客が一体となり船旅を楽しもう、という配慮は他にも随所に伺えた。

| オーシャンターミナルを離岸。中央は九龍サイドのスターフェリー桟橋 |
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| クリスマスを祝すイルミネーションのシャワーを浴びながら出港 |
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翌朝は早起きし、デッキから白みゆく香港の朝景色を楽しむ。点在する小島の陰から朝日がゆったり昇る様を確かめつつも、未だにひなびた小さな漁村が点在し、そこから漁船が出かけていく様を見つめたり、また高層アパートが林立する住宅地の間を抜けたり、といった感じで街中を歩くだけでは分からない、素顔の香港という側面を海上から目で確かめられ、見る物の多くが新鮮に映った。更に僚船の「スター・パイシス」が朝日を浴びてわが「スーパースター・アクエリアス」をぴったり追走、というシーンはナイトクルーズを演出する僚船同志のなかなかニクイ共演、という感じでインパクトを与えられたのだが、共演できるだけの盛況が永く続く事も併せて願わずにもいられなかった。

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| 朝日を浴びながら、僚船スター・パイシスが追走というニクイ演出 |
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12月10日8時「スーパースター・アクエリアス」は九龍のオーシャンターミナルに帰着。私も再び香港の雑踏へと溶け込んでいったのだが、お金や時間以前に「敷居が高い」と取られがちなクルーズに気兼ねなく参加できる、という現実は体感して今後も是非、という気持ちが高まってきたのは事実である。実際、ホテルでの一泊二食とほぼ同程度の価格で夜景やエンタテイメント、朝の静寂等を味わいつつ洋上のゆったりした一夜を過ごし、朝の始動前に悠々と戻って来られるのであれば、一晩くらい気分を変えたい、海をのんびり眺めたい、都会の喧騒から逃れた一夜を、或いはビジネスの合間に一息、と様々な利用方法も考えられそうだし、また私論とはなるが、船による悠々旅が見直される風潮もあるだけに、その手始めに、という向きにもいいのではないかとも思われる。

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| オーシャンターミナルへ着岸。船を下りると香港の雑踏が・・・ |
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| 楽しい一夜を過ごさせてくれたスーパースターアクエリアス |
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ともかく、私にとっても、忘れそうになった心の安らぎを取り戻させてくれた様な、時間に縛られずに楽しめた、そんな一夜であり、今後気軽なクルーズ探しにますます熱が入りそうである。
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