中秋節には月餅を、端午の節句には粽(ちまき)を、元宵節は湯園(あたたかい白玉)を食べることが、中国の伝統的な習慣です。
とりわけ9月の中秋節に食べられる月餅は、吉祥や家族団欒の象徴とされており、毎年綺麗な満月と楽しい一家団欒の席には月餅が欠かせません。
月餅には長い歴史があり、いくつかの説があります。
古代中国で、中秋になると月神を祀り、その祭事の後皆で餅を食べる習慣がもっとも古い月餅の起源といわれます。
また一説には、殷と周の時代に、江蘇省と浙江省のあたりで、太師聞仲を祀る時に食べられる、中心が厚く周りが薄い「太師餅」というものが、月餅の元祖とも言われています。
「月餅」という名前は唐の時代から登場したといわれます。それまでは胡餅、宮餅、小餅、月団、団円餅などの呼びかたで呼ばれていました。
漢代の外交官吏・張騫は西域を訪れ、胡麻、山胡桃などを輸入した際、胡麻や山胡桃の餡が入った円形の餅も「胡餅」として輸入しました。唐の太宗と楊貴妃が胡餅を食べる際、太宗が「胡餅」という呼び名が気にくわないといったところ、楊貴妃が空の満月を愛でながら、「月餅(ユエビン)」とつぶやきました。それから、月餅という名前が民間にも伝わったといわれています。
現在は、月餅にもいろいろな種類があり、普通の餡はもちろん、アイスクリーム月餅、緑茶月餅、チョコレート月餅、卵月餅など、「月餅カルチャー」ともいえる世界がひろがっています。
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